1888
明治21年5月
皆美家の祖は明治初期、食酢の醸造・販売を手掛ける「京店の酢屋」として商いをしておりました。
酢屋は5代で閉じ、当主「皆美清太郎」が「皆美」の屋号で湖水や山並の絶景を活かした旅籠を開いたのが始まりです。
開業当時の部屋数は宍道湖畔の住居であった2階の3部屋だけでした。
皇族方がご宿泊され、その他、芥川龍之介、河井寛次郎、高浜虚子、川端康成、岡本太郎、小泉八雲、里見弴、田山花袋、大町桂月、志賀直哉、武者小路実篤、佐藤春夫、内田百間、尾崎士郎など多くの著名な文化人、政財界人、芸術家が訪れるようになりました。
昭和2年7月には島崎藤村が令息と来泊されました。
『山陰土産』には、松江の風光の美しさ、皆美館の居心地の良さが記されています。
3泊のご予定が5泊の滞在となり、帰り際に主の為にと「芭蕉の言葉」を揮毫(きごう)して頂きました。
今も床の間に飾り、記念の部屋として「藤村の間」と呼び、当時のまま保存しています。
1952
昭和27年1月
玉造温泉に、「皆美別館」を昭和27年に開業いたしました。
最初は5室という規模での運営でしたが、昭和28年に本格的な新築工事に着手、昭和29年1月、飛騨白川の合掌造りを基本に古い農家を形どった民芸調の別館を開館いたしました。(現:佳翠苑皆美)
1968
昭和43年4月
1977
昭和52年
昭和52年
1982
昭和57年
豊かな暮らし、余暇時間をもたらした高度経済成長期。外食時代に対応するためこの時期相次いでお食事処を開設しました。
なかでも皆美館内に開設された「お食事処 みな美」(現、庭園茶寮みな美)は湖畔で松江らしさを残す庭園を活かして開設され、都市旅館の変貌を予期した方向転換は開放的な新しいお食事処のスタイルとして時代に即応しました。その後皆美の味は大阪、東京へ向かい、松平不昧公好みの「鯛めし」をはじめ、山陰の味覚と松江の料理にておもてなしを行いました。
1985
昭和60年9月
高度経済成長期を終え、モノから質、そして心へと時代変化を迎えた昭和60年。コンベンションホールなどの施設を設けた新しい都市旅館として、リニューアル化を推し進め増改築オープンいたしました。
1988
昭和63年10月
昭和27年に玉造温泉で開業した「皆美別館」。より快適性を重視した大型旅館となるべく新築、増改築を行い、昭和63年10月、「佳翠苑皆美」に名を改めリニューアルいたしました。
開放的な露天風呂、緑豊かな庭園、広々としたパブリックスペースを設け、心豊かな時を提供する温泉旅館として確立を行いました。
1991
平成3年
1992
平成4年
1996
平成8年
バブル崩壊後、日本経済はデフレ傾向となり、消費産業は厳しい環境にみまわれるなか、21世紀に向けた新しい商品として喜多の館「吉祥」、西の館「飛天」をオープンいたしました。
「飛天」は地上9階建の高層建築で最上階に展望露天風呂を設け、ゆとりとやすらぎの充実をはかりました。
1998
平成10年9月
「鯛めし」は松江藩7代目藩主松平不昧公の聞き伝えを基に皆美館の初代板前長西村常太郎が考案し、御殿料理に仕立てたのが始まりです。以来家伝料理として後進によって脈々と伝承され今日に及んだものであります。皆美グループとしても誇りと自信をもってご賞味に供する次第でありますため、平成10年に「不昧公好み皆美家伝鯛めし」と名付け商標登録を取得いたしました。
平成10年10月
松江と玉造の中間地点、布志名に新店「味皆美・ふじな亭」を平成10年にオープンいたしました。宍道湖を借景とした全く新しい立地に、広くとった駐車場と和風モダンな施設は皆美伝統の味を幅広く多くのお客様にお楽しみ頂けるようなお料理を揃えました。
2004
平成16年
2007
平成19年5月
120年の歴史ある料亭旅館を、全面リニューアルオープン。2階部分の「藤村の間」など古くから愛されている部屋はそのまま残しつつ、「松江宍道湖畔 文人ゆかりの宿 皆美館」「庭園茶寮 みな美」と名称を変更し、食により一層力を入れた、和のオーベルジュとして生まれ変わりました。
2008
平成20年
2011
平成23年10月
レストランを運営する傍ら、企業の会議や慶弔を中心とした仕出し・弁当の配達を行っていくなかで、より安全な品質管理と更なる生産性向上を行うべく、ふじな亭隣地に専門分野を設け事業化する運びとなりました。現在では松江市内を始め出雲、米子までエリアを拡大し、用途も会議や慶弔事だけでなく、家族でのお集まりや記念日などのシーンでもご利用いただいております。
平成23年11月
旅館・レストランでのみ味わえる門外不出であった「皆美家伝 鯛めし」を、多くの方に食べて頂きたいという思いと、自宅でも楽しみたいというお客様の声に応えて始めた鯛めしのお取り寄せ。
また社会構造やライフスタイルの変化に伴った中食需要の増加の波にのり、現在では大手百貨店やECサイトにてご贈答品、日常でご利用いただけるお惣菜、調味料を販売しております。
2012
平成24年7月
旅行の個人型への変遷を背景に、お客様のニーズに対応すべくダイニングレストランを新設いたしました。
レストランでは、センターキッチンを中央に配し出来立てのお料理をすぐにご提供できるようにし、満足度の向上を図りました。また朝食も時間に制約されないビュッフェスタイルに変更いたしました。
2015
平成27年9月
皆美館に隣接する敷地に隠れ家のような別邸を増設。湖畔と庭を愛でながらプライベート空間で最上級のひとときをお過ごし頂けるような新施設をオープンいたしました。
2017
平成29年5月
観光立国に向けた国家的な政策を背景に、日本を訪れる訪日外国人観光客は年々増加。皆美グループとしても宿泊業の未来を見据えた新たな取り組みとして、玉造温泉、温泉街中心にお客様が気兼ねなくご利用いただける憩いと寛ぎのゲストハウスをオープンいたしました。
平成29年7月
佳翠苑皆美でのご滞在がより優雅なひとときとなるよう、源泉かけ流しの温泉風呂付客室が並ぶフロア「神湯の宿り 雲のね」がオープンいたしました。また同年5月には落ち着いた和の空間にゆったりとした座席、個室を備えた「佳肴の宿り ダイニング 山水奏」もリニューアルいたしました。
2020
令和2年5月
和室宴会場を客室と転換、温泉風呂の新設を軸に内装を刷新し創業当時の面影を残しつつ、雄大な宍道湖と白砂青松の湖畔庭園を一望するレトロモダンな「ガーデン・レイクビュー」としてオープンいたしました。
皆美グループはこれからも
「おもてなし」と「食」を追求し、
新しい時代へ向けて挑戦を続け、社会に貢献いたします。